英国留学生の真実を辿ることは、19人が残した資料等を探るだけでは足りえない。
19名の祈りを聞き取り、いちき串木野の羽島崎から東シナ海を望んで弔うことにある。
弔う、ちゃんとした祈りをするには、そして私たちが死者の願いを継承し、その責務を死者に代わって果たそうと望むなり、私たちは絶対死者に「あなたはこれがしたかったんですか?」「あなたはこう言いたかったんですか?」と語りかけなければならない。
単に情報をファイルし19名の足跡を網羅的に知ったと告げるだけでは喪の礼とは言えない。
人間は死者とコミュニケーションできるという信念を持たない社会集団は存在しないという人類学的知見がある。(内田樹先生の「昭和のエートス」209~212Pの死者とのコミュニケーションからの引用)
さあ皆で正しき祈りを体験して困難さを感じとり、自己確知できるプロセスを楽しもう。
廣田稔