私共日本人は、西欧で民衆が勝ちとって国民国家と機械制・工業制から始まった資本主義をほぼそっくり借用して、1868 年の明治維新迎え、来年で150年です。
今や金をどうして稼ぐか、いかに経済成長と図るかということが単なる行動基準だけでなく、我々の判断価値基準とまでなっています。
そのため国家のの成立要素である学ぶ(教育)、裁く(裁判)癒す(医療)及び祈る(宗教)が日本では特に劣化しています。
そのことから人と人、国と国とのコミュニケーションが起動していません。
デベイト討論はあっても対話がありません。
それを再起動させるには人々が「物語を共有すること」が必要です。
映画を創る目的(カウンセリングの世界で同一ですが)がその物語の共有です。
今回、五代友厚公についての史実を素材として、その上に新しく神にも肯定してもらえるように虚構と現代というスクリーンに投影される。
それを創り出すことに挑戦したいと思います。
そしてそのことによって「我は、先人が残してくれた豊かな自然環境、文化の厚み、地域の連帯と相互扶助システムに感謝し、新たに人生と勇気を持って歩める姿」(内田樹先生の言葉を拝借しました)を後人に伝承したい。
それこそ我々の真なる善があると確信しているものであります。
廣田稔