神戸事件

神戸事件

明治元年正月23日    五代友厚参与職外国事務係となる
同年2月        神戸事件の解決に尽力す
同年同月      徴士参与職外国事務局、大阪在勤
堺妙円寺事件の解決に大周施す

神戸事件、堺事件は明治政府生まれたての切腹事件である。
切腹とは、あくまで武士に科した死罪の一つであり、切腹は形だけで実際は背後から介錯人が首をはねたのである。

死に意味をもたせてはいけない。
ましてや美化してはならない。

友厚は武士道の倫理的限界を体得して、両事件解決に大周施したのである。
ここに神戸事件の慶応4年2月9日兵庫永福寺で切腹された滝善三郎正信氏の資料を岡山市御津文化会館から借用して展示するのは、決して切腹に何らかの文脈を付して意味をもたせることを推奨しているものではない。

是非、各資料から読み取られんことを切望する。

廣田 稔